煌めく青春を取り戻す、君と──
翌日、潤兄は昨日の怪我の為に学校を休んだ。潤兄が休むなんて、出席停止のインフルエンザ以来だったか?基本的に俺達、兄弟は身体が頑丈であり、なかなか体調も崩さない。

潤兄は左手が使えない為か、いつもみたいに勉強はしてなかった。いつもは見ないテレビをつまらなそうに朝から眺めている。

俺は受験も卒業式も終わったので、ただ単にだらけている。ゲーム以外のやる気が起きない。

夕方、リビングのソファーで寝転がって携帯ゲーム機を操作していた時に玄関のチャイムが鳴った。その日は珍しく、両親揃って早めの帰宅をしていた。

両親が玄関先で対応した後、複数の大人と高校生位の男子が二人上がり込んで来た。俺は「二階に上がってなさい」と言われ、追い出される。

只事ではないと思い、二階に上がるのを躊躇したのだが、強制的に二階の自分の部屋に入れられた。

恐らく、潤兄に関係する事なのだろう。潤兄はリビングに残り、話し合いに混ざっていた。

チラッと見た限りでは、高校生らしき男子も怪我をしていた。潤兄みたいにヒビが入ってるようには見えなかったが、顔が腫れていて足を引きづっていたように見えた。

潤兄、どれだけ暴れたのだろうか?

俺に対しても、いつも優しいから怒っている潤兄は滅多に見ない。何が原因なんだ?潤兄が怒るのはよっぽどの事があったのだと思う。
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