ハッピーエンド・スーパーノヴァ
「まあいいさ。なんにしても初日から大収穫だな。とりあえず今日は事務所にもどって仕事は終わりにしよう」

すでに呼吸を整えつつあるボスはゆっくり駅に向かって歩き始めた。

「ちょっと、まってください。まだ苦しい・・・」

「そのうち慣れるさ。探偵ってのはさ、けっこう走るよ」

ふらふらする俺の肩にヨドミちゃんの小さな手がポンッと触れた。

「なんか楽しかったねー」

俺と同じくまだ呼吸の整っていないヨドミちゃんが朗らかに言った。

青春の香りがした。

俺の心は、ダメな心だった。
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