ハッピーエンド・スーパーノヴァ
俺は事務所内を見回して、どこかに、自分を狙っているレンズがないか探した。

「いい読みだが、それも違う。一人の素人をこんな大掛かりなドッキリにかける物好きがいるか。第一、うちとユウちゃんは雇用契約を結んでいるんだ。これがドッキリだったら、重大な契約違反さ」

ボスはいったん言葉を切って、俺の、おそらくは戸惑っている表情を面白がっているように、唇の片方を引き上げて意地悪な笑みを作った。

「間違いなくここは探偵事務所で、そして君はここに雇われて、俺と一緒に宇宙人を探している。これは純然たる事実だ」

ボスが勝ち誇ったように言った。
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