中毒な彼
中学校に入っても、私達の添い寝は続いていた。

周りの子達は、私と大和が付き合っていると思っていたらしいが私は全く気づいていなかった。

中1の6月、1年4組だった窪田 玲志(くぼた れいじ)君に1年2組だった私は放課後呼び出された。

いつも、一緒に帰っていた大和に“ちょっと用事があるから先に帰ってて”と伝えた。

窪田君に呼び出された場所は、いつも大和と添い寝している場所だった。

そこは、いつも良い風が吹き抜けていた。

窪田君は、そこで何かを考えているような様子だった。

「窪田君?」

私の呼びかけに驚いたみたいで窪田君は目を丸くしていた。

「何で呼び出したん??」

私は優しい口調で言った。

「いや・・・それは・・・あれや・・・」

あれ?・・・ってなに?

「あれってなに??どいゆう事??」

私には意味が分からず頭の中に無数の疑問が湧く。

「つまり・・・俺は永野がす・・・」

「操は、俺のや。」

突然、聞こえてきた声に窪田君の声が遮られる。

この声は・・・。。。

そう思った時には、大和が窪田君の前いた。

大和と窪田君の顔が当たるか当たらんかぐらいの距離で何か2人で話してる。
それは、とても小さい声だったから何を言っているのかは分からなかった。

話が終わったみたいで、窪田君と大和の間にある程度の距離ができていた。

2人の顔を交互に見るとお互い、何故か勝ち気な顔をしていた。

「どいゆう事?」

すかさず聞いた。

「いや・・・別に何でもない。」

「何でもあらへんよ。」

大和と窪田君は、穏やかな口調でそう言った。

私だけが意味不明だった。

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