図書室の彼にはご用心?!

side aki





俺は頬を軽く触りながら教室に向かった。2年生の廊下は朝と言えど、騒がしい。





「暁(あき)くん!!どうしたの、それ!」




廊下に高い声が響き渡った。声を上げたのは知らない女生徒。ばっと注目がこっちに集まった。




・・・誰だこいつ




俺はそう思いながらも、口を片方だけ吊り上げて言った。指で頬を指差す。




「ちょっと、猫にやられた。」




「えー!痛そう・・・大丈夫?」




甘ったるい声を出して返された。俺の頬には、少し長い切り傷が出来ている。




「大丈夫。」




甘ったるい声に辟易しながらも返して、教室に滑り込む。廊下でも教室でも、俺に媚びてる視線ばかりだ。




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