<コラボ小説>偉大な緑の協力者~トリガーブラッド~
 ガルナは少々の傷と土をつけた姿で戻ってくる。

 様子を見て逃げられた事は、ザザにもレイにも理解できた。

「銃声聞えたけど……少年が居ないって事は逃げられたようだねぇ?」
「腹に二発は入っているが……」
「逃げられた事には変わりが無いでしょ? レイさんの事もあるから社長に電話しちゃうね」

 腹に二発撃たれたと聞いて不安な顔を浮かべるレイ。

「いちいち人の心配ですかぁ? この場合自分の心配した方がいいんじゃない?」

 ザザはそういいながら少し離れた場所で携帯を使い社長に電話をする。怒鳴り声らしきものが、漏れてくるが何を話しているかは分からない。
 そして話し終わると、ザザは内ポケットに携帯をしまう。


「さーて、とりあえずは会社に帰りましょうか? ここでレイさん殺っっちゃたら逆に怪しまれますからね。しかし社長かなり怒ってましたよ貴方の事」

 ザザはそういって小さく笑うとレイを無理やり立たせ、腹いせにもう一度殴り、後ろ手で縛り上げた。
 騒がれるのも面倒なのでハンカチを口に押し込み、上からアザムを包んだ残りの布で口を塞ぎ後ろで固く結ぶ。

「とりあえず戻ったら“0号のレベル4に入れておけ”と社長からのご命令です。どういうことか分りますよね? 貴方なら……」

 ザザは全く抵抗の出来ないレイにわざと丁寧に言ってみせた……
 
 そして、さっきまでアザムが乗っていた一番後ろの座席に無理やり入れられる。
 ガルナは助手席、ザザは運転席に乗り込む。

「ははっ、しっかし社長は今頃、貴方の尻拭いで追われているでしょうね? いろいろ電話とかしてる姿が目に浮かぶようだ」
 
 ザザは子供のように笑いながら、会社に向って車を走らせた。
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