<コラボ小説>偉大な緑の協力者~トリガーブラッド~
「不老不死という生物の観察って所かな……まあ私の性質くらいなら、ちょっとは得られるんじゃないか?」
 
 組んだ足に肘を乗せあごを添えながら、苦笑いを浮かべるベリル。

 この数日を思い出し何かに気がついたアザム。

「あ……おじさん、ボクよりご飯食べてない」

 それにトイレにも行っていない事に気がついた。

「全てが、完全なエネルギーとなるから、後は“無”しかない」

 ベリルはそういって少年に一度微笑むと、冷蔵庫からジュースとブランデーを取りに立つ。

 観察されているのはベリルだと理解していても“この部屋の中”を観察されている事には変わりが無い。
――未知である病状も今後は晒される事になる。

 外からの視線は無意識に絡み合い過去と直結してしまう。
 そしてアザムは、小さく震えはじめる。観察をしている人間に、不安や焦り、苛立ちのような嫌悪的感情を抱く。
 
 ベリルは戻ってくると飲み物をテーブルに置くと、すぐにアザムの横に座り、引き寄せる。

「とりあえず、一度落ち着きなさい」

 そう言われ、今にも泣き出しそうな少年は、ベリルのエメラルドの瞳を見つめる。

「お前は何一つ悪いことはしていない。お前には何の罪もなければ、こうなった事に責任も無いのだよ……」 
 
 その言葉と、ベリルの瞳に安心を覚えたアザムは、少しずつ平常心を取り戻す。

 
「ご、ごめんなさい……ありがとう」

 落ち着きを完全に取り戻したことを確認すると、ベリルはアザムにジュースを手渡してやる。
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