<コラボ小説>偉大な緑の協力者~トリガーブラッド~
「レイさんは……」
「大丈夫だ。今のでレイに何も出来なくなっただろう」
「よかった」
 
 アザムは微笑を浮かべる。

 そんな少年を少し険しい表情で見つめるベリル。

「前にも言ったが、普通なら抗体も打たれているから死ぬ可能性は確かに低い」
「……わかってる。抗体って治す薬じゃないんでしょ?」

 祖国での予防接種などは受けているので、その類だという事は理解している。

「後は未知な部分が多すぎる。症状によっては正直何とも言えないのが現状だ」

 子どもに突きつけるには余りにも重たい現実を、ベリルは言い切った。
 
 しかし、アザムはそれに対して笑顔を一つ見せた。

「ボクへの神様からの試練なんでしょ? ボクの未来はこの先にしかないのであれば、“生きること”に向かい合うしか無いんだからさ」

 そう言って全てを受け止めている少年の頭を、ベリルは優しく撫でた。
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