漆黒シンデレラ


つうか加賀美君が何処かに私を罠に陥れようとしているんじゃないのか?


今日は生憎休日で、何故かはー君は素敵なお洋服を召されているし。私なんて普通にTシャツにジャージなんだけど。


あの人、頭大丈夫か?



「えぇ〜?さっき環ママがさ…



『環ったら最近引きこもりだから、ちょっと外に連れ出してくれない?』



って、指令が下ったから」




(なんじゃこりゃぁあああああ!!!!)






















今日の運勢って——誰が決めているのであろうか。そして、神サマの馬鹿野郎ぉぉおおお!

私はお前なんて信じないんだからぁあああ!




「環ちゃん、眉間に皺寄せ過ぎだよ?」

「……いくら"お金"がかからない所って言ってもさ、公園?」

「良いじゃないか。ほら、今日は天気良いしさ?」



私はそのままはー君の王子様スマイルに負けて、「お金のかからない所だったら」という条件を出すと——


そしたら、近所の大きな公園に辿り着いたというわけである。



(まあ…ここなら知り合いに遭遇しないとは思うけど、)



何処か一抹の不安を覚えるのですけれど。


 
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