シュガーベイビー★キス
―――――――――――――



「今の電話、泉くんだよね?」



「あ…うん。」




電話を切ったところで、樹くんが声を掛けた。




「何て?」



「今、何してるって?だから…とっさに…今帰りって…」



「あぁ…そうね。バレンタインのプレゼント選んでたなんて言えないよね。」





あははっと苦笑いしながら洋服を選ぶ樹くん。




「きっとひまりがプレゼントくれるなんて思ってないだろうね~。泉くん、喜んでくれるといいね♪」




「樹くん……ありがとう。」




「だから……………………俺デザインのパーカー買って!」






やっぱり売り込み!!







せっかくだけど…樹くんデザインのパーカーをあげるのは何だか気がひけたので、無難なパーカーを買った。




てゆーか、バレンタインのプレゼントにパーカーあげる人なんているのかなあ…?




ま、いっか。





本当はね、




さっき泉サマに「好きだよ」って伝えたかったんだ。




だけど、ちゃんと、そういうことは直接会って伝えなくちゃって思った。




樹くんに後押しされて少し勇気が出たよ。




例え泉サマが今あたしを好きかどうか分からなくても、あたしが泉サマに恋してることは確かだから、あたしの気持ち、ちゃんと伝えたい。




それから泉サマに気持ち聞いてみよう。




ごめんなさい泉サマ…




撮影終わったらって約束だったけど…



やっぱりあたしは会いたいし、待てないみたいです。



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