生徒会

絡み合う糸

「2年しめてる」

しめてるって…。

「矢神さんは行かないんですか?」

「めんどくさいし…この前派手にやったばっかなのに…よくやるよな。ホントあいつらは元気だよ。で、そっちは友達?」

「はい」

「あぁ…そういえば見覚えあるような気がするな。仲直りしたんだ」

「はい!ありがとうございました!」

「俺はなにもしてないけど…お礼なら崚馬に言いなよ」

「はい!」

矢神さんって意外と喋るんだ。

「座れば?」

私たちはソファに並んで座る。

「あ、いくらあんたの友達だからって生徒会にはいれないよ。これ以上うるさくなんの嫌だし。そんなに人数いらないし」

矢神さんはそう言いながらお茶をだしてくれた。

「そうですか…」

「…タツキ…ユウキ…あっ弘樹だっけ?」

「あっはい!柴咲弘樹です!」

「私、伊崎沙羅です!」

「矢神慎司。まぁ優梨の友達なら…よろしく」

優梨って言った…!

私は不意打ちだったのでときめいてしまった。

「優梨ー!手当てしてー!」

崚馬さんが笑顔でそう言いながらはいってくる。

私はまた傷だらけなんじゃないかと思い慌てて駆け寄った。

でも、新しい傷はない。

「なに心配そうな顔してんだよ。2年ごときにやられるわけねぇだろ!痛いのは俺の心だよ…」

崚馬さんはもたれかかるように私を抱きしめる。

「え…心?」
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