PURELOVE
美鈴☆水族館
今日は、(彩花のせいで行くことになった)水族館に行く日。


いくら幼稚園の時に仲良かったからって、その時とは全く状況が違う。


あたし、今日1日耐えられるかな…?


不安を抱えたまま、家を出た。


太陽が雲の間に隠れていて、何だか弱々しく見える。


それにピューピュー風が吹いていて、すごく寒い。


あたしはホッカイロをコートのポッケに入れて、何とか寒さを凌いだ。


ほぼ時間通りに着くと、そこにはもう圭君が立ってて。


なかなか自分から近くに寄っていけないあたし。


躊躇している間に、圭君があたしに気づいて近寄ってきた。


「おはよ!」


「おはよ…」


いきなり近くなった距離に、思わず少し後ずさり。


そんなことお構い無しに、圭君が手を掴んできた。


反射的に、


「イヤッ!」


と手を払ってしまった。


ビックリした顔で、あたしを見る圭君。


「あ、その……ごめんなさい」


何て言っていいか分かんなくて、下を見た。


「俺も、ごめん。いきなりでビックリしたよな。」


「…………」


「…行こっか?」
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