Crazy Love


ここまで来ると、意地でも芹に会いたくなる。

平日は仕事だし、仕事が終わるのは大抵夜遅い為、彼女が店にいる夕方までに吉祥寺まで行くことはまず無理だ。

しかしこの間のように入稿明けなら、休みが取れるかもしれない。

芹が俺から逃げるように店を辞めないことを祈りながら、次の入稿明けに半日でも休めるように、今入稿を控えている仕事にプラスして、その次の号の為のリサーチや、企画などの準備など、いつもの1.5倍位の仕事を精力的にこなした。

仕事が増えることは体的にはキツかったが、彼女に会いに行けるかもしれないと思えば、全く苦ではなかった。

例えば、単身赴任で離れている家族に会うのを待ちわびる父親のように、仕事をしながらワクワクしてした。

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