体育館に響く音


相手が失敗し、ピン球が
俺の後方へ飛んでいく。


振り返り、ピン球を取りに行くと
観客席のあいつと目が合った。


『頑張って!』


艶のある唇がそう動く。


俺は少し目をそらしながら頷いた。
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