闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

すると、彼の唇が微かに笑ったように見えた。


「みーつけた...... 」



そう聞こえた気がして、私はふと足を止めた。


振り返ると、こちらを向いた彼が笑みを浮かべて立っていた。


綺麗な笑顔と冷たい目の不自然さが、私に違和感を感じさせた。



「キミ、最近来た子? 」


「え、そうですけど…… 」



その人はとても大人っぽくて、同じ高校生に見えないけど、制服を着てるし留年生かな。



それに瞳が変わった色をしている。


ブルーがかったグレーのような、カラコンでもしてるのかな。



「ずっと、探してたんだ 」


「お会いした事ありましたっけ? 」



私は首を傾げて目を丸くした。

< 109 / 224 >

この作品をシェア

pagetop