花よりも美しく


自分の腕の中で、必死にすがり付くその姿に、忍は例えようのない苦しさを覚える

涙は止まらない

叫び声も、止まることを知らない


母の死がいつく来ると知っていても、受け入れられるほど、月子は大人ではなかった


慰めの言葉も、労りの言葉も・・・

何を君に、言えばいい?

泣き叫ぶ君を見ているだけで、身体中に棘が刺さるよう


何もできない自分の腕の中

月子は一度も、忍を見なかった


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