花よりも美しく


楽しげに笑う珠子に、その場の全員が首を傾げる


「忍。貴方にお客様が来てるのよ」

「客?」

「えぇ。どうぞ」


珠子の言葉と同時に、襖が静かに開かれた


「れ、麗子?!」

「お久しぶりですね、皆さん」


変わらぬ美しさのまま、麗子が全員に向かって微笑んだ


「な、なんで彼女が?」

「わたくしが呼びました。忍、貴方の為にね」

「僕の、ため・・・?」


意味が分からず、忍は珠子と麗子の顔を交互に見る


< 298 / 361 >

この作品をシェア

pagetop