花よりも美しく


嬉しそうに、晃彦が振り返る


「そう。行きましょ。準備して」

「うん!」


慌てながら、晃彦は自分の部屋から上着を取ってきた


「じゃあ、行ってくるね」

「気をつけてな」


2人を見送り、父はいそいそと携帯を取り出す


「麗子か?今出たぞ」


電話の相手と話し、父は優しげに笑った






姉・麗子との待ち合わせ場所は、花だけを植えた植物園

以前、大学のレポートを書くために、姉と晃彦と共に何度か来たことがある場所


< 302 / 361 >

この作品をシェア

pagetop