花よりも美しく
嬉しそうに、晃彦が振り返る
「そう。行きましょ。準備して」
「うん!」
慌てながら、晃彦は自分の部屋から上着を取ってきた
「じゃあ、行ってくるね」
「気をつけてな」
2人を見送り、父はいそいそと携帯を取り出す
「麗子か?今出たぞ」
電話の相手と話し、父は優しげに笑った
姉・麗子との待ち合わせ場所は、花だけを植えた植物園
以前、大学のレポートを書くために、姉と晃彦と共に何度か来たことがある場所