花よりも美しく


「用があるのは、貴女よ、月子」

「私・・・?」


大学のレポートは終わらせた

他に用があっただろうか?


「私と晃彦は帰るわね。月子、頑張ってね」

「頑張る、って・・・何を?・・・・・・私、帰っちゃダメなの?」


1人残された月子は、心細さに泣きそう

仕方なく、植物園の奥へと進んでいく


進んでいく度に、花の香りが強くなる

見たことのある花もあれば、なんじゃこりゃ、という花もある


< 304 / 361 >

この作品をシェア

pagetop