花よりも美しく


少し冷える夜風の中、忍は雲に隠れる月を見上げていた


「こんな時間にすまない。本当は、もう少し早く来るつもりだったんだが、選ぶのに時間がかかって・・・」

「???」


どういう意味か分からなくて、月子は首を傾げる


「これを・・・」


差し出されたのは、細長い箱

真っ白な箱に、真っ白なリボン


「・・・なんですか?」

「開けてみれば分かるよ」


戸惑いながら受け取って、月子はリボンをほどく


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