花よりも美しく


「その時に、答えを聞いても・・・いいかな?」

「答え・・・」


忍の手が、指輪に触れる


「首にこれがあったら、イエス。なかったらノー。会わなくても、見ただけで答えが分かる」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「月子。・・・僕は君に、何も与えてあげれなかった。優しさも、愛も・・・、何も。だから、君に選んでほしいと思う」


それだけ言って、忍は月子の額にキスをする

穏やかに笑って、忍は月子を家へと帰した


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