ひかり

家は明るくにぎわっていた。
まだまともに歩けない遥を麻那ちゃんは笑顔で支えていた。
夏恋もそんな2人を見て微笑んでいる。
 「遥おかえり。」
 「夏恋・・・・・・」。

絶対に絶対に遥は夏恋の心変わりを知らない。
だから隠すのが大変だった。
 「またおでかけしようね。ずっと一緒にいたい。」
そんな心無い言葉を何度もかけた。
でもそれは恋愛感情を抜いたらいいんだって自分の罪を見逃していた。
 「俺もずっと・・・・・・一緒にいたい。」
涙を流す遥。
夏恋の心はまた痛んだ。
遥が夏恋を大事にしてくれる気持ちがすごく苦しかった。
遥のきもちに答えたかった。
でも風真が愛しかった。
ごめんね。
ごめんなさい。
夏恋は心の底から謝り続けていた。



ねえ、美羽・・・・・・
夏恋はどうすればいいの?
ここに降りてきて助けてよ。
美羽がいないと答えが見つからないんだ・・・・・・



大切なものを守るために自分の心をぎせいにして
2人も裏切った。
それでも大切だから
偽善者で居つづける。
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