~Snow White~『最終巻』
「電話がこない限りは
ここにいようと思ってるよ。」


その言葉に絶望した。



「そ…そうなんだ……」


食器を片づける手が震えた。


稔はカンの冴える男だった。



 隠し通せるのか


雪湖は恐怖心を覚えていた。




「とうとう雪になったな・・・・」



稔が立ち上がって
近づいてきた。


雪湖は身を固くした。




「雪湖ちゃんの輝く季節だね。
その色の白さは雪に負けないくらい
美しいよ。」


そう言うと雪湖の腕をとった。


雪湖に初めての気持ちが芽生えた。



 怖い・・・・・


「おいで」


稔は手を引いた。
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