~Snow White~『最終巻』
「ごめんね。
華とは話がついていたと
思ってたんだ。
後めたくても・・・あの時
戻っていって雪湖を連れに行ってれば
雪湖は大槻に・・・・・
されることはなかった。
俺が…勇気がなかったばかりに
ごめん…迎えに行かなくて……
俺のせいなんだ。
雪湖がこんな目に会ったの……
だから俺も雪湖から
隠れていたかったんだ。
ごめん……
まさか大槻がそこまで卑怯な男だとは
思ってなかったんだ。」



智久は拳を握りしめた。



「あの夜
俺が華とあんなことにならなければ
大槻と華がつながってるなんて
思ってもいなかったから……
でも…華を見捨てられなかった。
俺のせいで傷つけた
華を見捨てられなかったんだ。
今さら いいわけだな……
ごめん…本当にごめん……」



智久は深く頭を下げた。
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