恋の行方
この春、クラス替えで一緒になって、席が近かったのが縁でなんとなく仲良くなった。


『いや。何にもあるね!ゆっちん!白状しなさい!!』


と、私のバックを取り上げた。


「ちょっ!返しなさいよっ」


『返して欲しかったら白状しなさい!!』


利央は飛びかかるわたしをヒョイと交わしながら、私のバックを高々と持ち上げた。


180センチ位ある利央に155センチの私がかなうはずなくて、遼太郎に助けを求めてもシラっとした顔で『言っちゃえば?』なんて助ける気ゼロ。


「わかったよ…」


と観念して言ったのがバカだった。
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