君へ贈る愛の歌



「ハアッハア・・・やるな、ヘニャヘニャ」


「勝手に・・みゅうのこと賭けやがって。ハアハアッ・・・負けられないんですよこっちは」



向かい合う俺と本田先輩。


第4クォーター、73-73。


点をとってはとられて、永遠にその繰り返し。


残り時間はあと1分程度だ。


久しぶりにこんなに本気でスポーツをしたからか、自分の思い描いた動きを体がしてくれない。


それどころか、体がふらついてる俺。


なんだ、このしんどさは。


インターバルの度にみゅうが俺を心配してくれる。


負けるわけには、いかないんだ。


頼むから・・・もうちょい頑張ってくれよ、俺の体。


そう思うのに、思考回路すらしっかりと動いてくれない。




「チッ!」




残りの体力をすべて注ぎ込んで本田先輩からボールを奪い返す。


そのままゴールに近づいて



「入れっ・・!」



ボールを放った。


そこで、俺の目の前は真っ暗になった。










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