Doctor〜鈍感なアイツ〜
「アイツかな。ほら今、医学書相手にブツブツ言ってる…」



指を指すと佐藤は
その相手に近付いて言う。



「司馬!!」


「はっはい。何ですか?」



突然大きな声を出されたので
司馬は驚いてビクッとした。



「おい…お前、久美子ちゃんに何したんだ?」


「え?僕は何も…」


「嘘つけっお前が何かしたから来ないんだろ。今までこんな事なかったんだぞ!さては久美子ちゃんの事いじめたのか?白状した方が身のためだぞ」



佐藤が上から見上げるように
腕組みで眉毛を吊り上げて脅しをかけるように司馬に言った。



「………あ……」


「その顔は心当たりあるんだな」


「べ、別に主任には関係ない…」


「司馬君よ。俺と久美子ちゃんの仲、知ってるだろ?大事な子なんだよ」


「まぁまぁ…主任、熱くならなくてもいいですよ。司馬みたいな奴に…どうして来なくなったかも、分からない鈍い男には無駄です」


「俺はな、知ってるんだ。久美子ちゃんが司馬の事が好きだって…認めたくないんだがな。それなのにお前は…」



その時、医局の内線電話が鳴る。
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