いちご模様の赤い傘
いちご模様の赤い傘



どうして、急にこの駅で降りてしまったのだろう。



俺はふと足を止めた。

『今年一番の冷え込みです』
ってテレビで美人アナウンサーが言っていた。

その言葉通り、まだ日が沈む前だっていうのに吐く息は真っ白だった。

今日の天気は曇りのち雨。

まだ雨は降り出していなかったが、あの、雨独特の匂いがした。



夕日の中見た街は、俺が知っている景色と何も変わっていなかった。

犬を散歩させている人、パン屋の匂い、学生たちの笑い声。

無性に懐かしくなって、ああ、俺も年とったなぁなんてクスッと笑った。
< 1 / 19 >

この作品をシェア

pagetop