君がいるだけで
切ない片思い
誰もいない中学の教室。その教室の一角に座っている山口健一。


はー。

なんとも大きなため息をつく山口。


「何、ため息ついてるんだ。」


後ろから、声がした。

声の主は、山口の親友の鈴木進一だった。


「進一か、人気者のお前には、分かんないよ。」


「どうせ、幼なじみの加藤美紀との痴話喧嘩だろ」


「うっ、痛いところをつきやがる」


「でっ、どんな喧嘩だ?」


時間は、さかのぼる。

一時間前の教室。


山口健一と加藤美紀が教室で掃除をしていた。


山口「かったるいな。なんで掃除なんてあるんだよ。」


加藤「サボってないで早く掃除しなさいよ。ほんとに、子供なんだから。」


゛ほんとに、昔から、子供なんだから。まっ、でもそこが健一のいいところなんだけど、゛


山口「お前は、俺の嫁か、いちいちうるさいなぁ」


加藤「何が、うるさいのよ!」


声と同時に、バチーンという音が、教室に響いた。


頬をさする山口。


山口「痛いなぁ。何するんだよ」


加藤「自業自得よ」


なんとも気の強い加藤美紀である。


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