ヒメ恋 番外編②

何を海里と約束したのかすごく気になったけど、里海は誰に似たのか少し頑固なところがあって、簡単には自分の考えを変えない。

それ以上聞いたところで答えを得られないと思ったあたしは、笑顔で里海を送り出すことに決めた。


「ごめんね、里海。里海はパパとの約束守ってるだけだもんね。ママ、もう聞かない」


里海のサラサラの髪を撫でると、突然振り向いた里海が申し訳なさそうな声で言った。


「ママごめんね。ママとの約束もちゃんと守るから、里海」

「ううん、ママ嬉しい。里海がちゃんと約束守れる子で」


ギューッと里海を抱きしめると、安心したようにいつもの可愛い笑顔を見せてくれた。


あたしの自慢の娘。

大切な、大好きな娘。

良いことと悪いこと、大切なことの区別がつくようになった、もう一人前のお姉ちゃんになった娘。

そんな大切な娘に、日々目まぐるしい成長を見せられる。


「美海ちゃんはいいママね、本当に」

「え?」


顔をあげると、お義母さんが優しい笑みを浮かべて、あたしを見下ろしていた。

隣にいるお義父さんも、すごく嬉しそうに微笑んでいる。


「ありがとう、美海ちゃん。自慢の孫に育ててくれて」

「そんな……」

「自慢の娘に自慢の孫。幸せね?あなた」

「そうだな」



< 2 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop