紅蓮--Requiem--
 職員室前に着いたが、人の気配がない。

私は職員室のドアを開け、叫ぶ。

「誰か助けて下さいっ!先生が…。」

一瞬、時が止まる。私たちは、目を疑った。

「いやぁぁぁぁ。」

そこには、何体もの亡骸が転がっていた。それはみな、保健室の先生と同じ様な無残なありさまである。

そして、床一面には血が広がり、血のにおいが鼻をつく。
ここはもう、奈落と化していた。

玲は泣きながら呟く。

「どうしてこんなことになるのよ…いったい何が起きたっていうの…。」

ここまで幾人もの死体を見てしまった。しかも、全てが自分たちの先生のものだった。錯乱しても無理はない。

「囚人の呪い…?」

その観紗の一言は、皆の不安を一層強くした。

「そ、そんなもの、あるわけない!」

「そうだよ、ただのウワサよ!観紗ちゃんだって、そう言ってたでしょ!?」

「しゅ、囚人の呪いなんてウチ、認めへんから!」

口々にそう言うみんなに、観紗は冷静に伝える。

「囚人は、『この地にいる者全てを呪う。』と言いました。殺されたのは、先生たちだけではないかもしれません。教室に行きましょう。みなさん、無事ならば良いのですけど…。」

「そ、そうだね…。教室に行けば、ホントかどうかわかるものね。」

玲もその意見に同調した。

「みんなが心配だよ。一刻も早く行かないと!」

私たちは、クラスのみんなが心配になり、教室に向かった。

教室へと続く廊下は、異様な静けさが辺りを包み込んでいる。教室に近づくにつれて、息が苦しくなる。私はいやな予感がした。
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