恋のはじまり

「ごめんなさい!」



ところ変わって、近くにあった小さな公園。

私は自分の目の前で手を合わせ、ベンチに座っている彼に頭を下げていた。



「もういいよ、別に。いきなり声かけた俺も悪かったし。まぁ、まさか鞄が飛んでくるとは思わなかったけど。」



先ほどの場面。


相手からの予想外の言葉に驚いた私は、思わず鞄を握る手がゆるんだ。
そして、私の鞄は宙を舞う。


それは綺麗な弧を描き、見事、彼の顔面に命中。

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