碧の時間(とき)






『それは違うよ。夕貴は私と同じで、感じ取りやすいだけ』






――感じ取る?






『そう。病院やひいおじいちゃんの時のように、死が身近にありすぎて引っ張られそうだったの。……でももう大丈夫。夕貴の周りに死はないから。それに大きくなるにつれて魂が強くなるから。……だから、もう大丈夫』






もう大丈夫……だから、みどりちゃんはいなくなってしまうんだね。






還って行っちゃうんだね。






――もう、お別れ?






『また会えるよ。前に言ったことがあるの、覚えてるかな?夕貴がいるから私が存在できるんだって』






また会える。






私が生きていれば、また会えるんだね。






――じゃあ、またね……だね。






『うん……またね。また…ね』







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