Blood†Tear


雲1つない澄んだ青空。

その中を優雅に舞う小鳥達。

穏やかな風は草花を揺らし、川の水は静かに流れる。

暖かな陽は賑わう町並みを照らし、人々は活気づいていた。





その町並みの中を歩く、1人の男性。

人々の間をすり抜けながら、彼は足早にどこかへ向かっていた。




 「あら、コウガじゃないか。おはよう」


 「おはようございます、ポポルさん」



色鮮やかな果物を売る年配の女性は、彼を目にするなり元気に声をかけた。

すると、彼はにこやかに微笑み挨拶をする。




彼の名はコウガ=シェイング。

茶髪にスカイブルーの瞳を持ち、整った顔立ちをした細身の男性である。


彼はこの町の住民であり、この町を守る唯一の騎士である。

というのも、彼は不思議な力を持っているからだ。




不思議な力、一般の人々には存在しない力。人々はそれを魔力と呼び、また邪悪な力と呼ぶ。

この世に数少なく存在する能力者。
武器を造り出し、傷を治癒する。
様々な力を使う者達。
その内の1人が彼、コウガである。







 「ほらこれ、持っていきな」


 「!っと…ありがとうございます」



果物を売る年配の女性ポポルはコウガに赤い果物を投げ渡す。

彼は難なくそれを受け取ると、一言礼を言い再び歩き出したのだった。





< 2 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop