ロッカー103
その度胸が苦しくなるのを俺は必死で我慢した。
毎回俺は
「幸せになれよ」と言った。
いつかの約束は、詩織の中で忘れられたのだろうか。失われたのだろうか。
18歳になるのがたまらなく怖く思えた。
やがて俺は苦しみから逃れるように詩織を避けるようになり、詩織の眼差しは、他の男にだけ向けられるようになった。

そして俺らは高校二年生になった。

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