Cashe Cashe

愛eye




私は視力を失った動物と出会った
「世界が見えなくて不便じゃない?」
っと聞くと動物は首を振り
「私には愛が見えるの」
とほほ笑んだ

多くの人が見られるこの世界
薄汚れた世界は見たくない
だけど私たちの多くは
世界を見ることを選んだ

それはなぜ?きっとね
宝物探しをするためだよ
宝の在り処やその物の大きさは人それぞれ
人々はずっとそれを探し求めている

私は動物に聞いた
「私の愛はどこにあるの?」
動物はムスッとした顔で言う
「それは教えられない」

愛を探すのが使命
だと先ほど私は言いました
だけど探してからか肝心なんだね
それをどうやって育むか
パズルのピースをはめ込むんだ

人々は望遠鏡を使って大きな宝を探す
時にはそれを奪い合い争う
そんなんじゃ宝は宝でなくなる
動物は視力を失った眼から涙を流す


「ここで逢ったのも何かの縁
あなたには一つだけヒントを教えてあげる」
動物はいたずらっぽく笑う
そして動物は人差し指を上げ私の胸を指した
「そう遠くはないよ」


2010,02,14




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