Cashe Cashe

シルバーアクセサリー




共通点だったアーティストの曲
流れると次の曲に飛ばしてみる
その隣で静かに輝く指輪
にぶし液に付けたようなその指輪

君に何かあげたくて
僕と逢うときに付けてくる
アクセをあげようと思った
君は僕のものだという証
手作りのシルバーアクセサリー

君と逢える日
僕はいつもより緊張
君の小さな手を握って
細い指は何号か確かめる

『どうしたの?』
考えこむ僕に君は笑う
その笑顔をもっと見たくて
なんでもないのサプライズ
手作りのシルバーアクセサリー

手芸の本を買うのは
少し恥ずかしかった
でも君が喜ぶなら
勇気が出てくる

君のために物を作った
そのかわり
君とのものが壊れてしまった
にぶし液にかけても錆びることはない
と思っていたものが

流れる曲をストップさせ
指輪を持つ
錆び付いた心を溶かすものはないのか

君に鎖を撒いておけばよかった
銀色に包まれた君は僕のもの
その鎖は意図も簡単に抜けて
君は自由となる

錆び付いた指輪
鎖に撒かれた僕は投げ捨てる
沈んでゆくシルバーアクセサリー
思い出とともに


*2010,02,08


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