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ふとドアの方を見る。
先生だ……。

先生が私たちを心配して屋上まで来たんだろう。先生はこちらを見て悲鳴をあげた。
そして腰を抜かしてその場に座り込んでしまった。

しばらくして先生の悲鳴をきき駆けつけた先生方とたくさんの野次馬。

体育の先生、斉藤がナイフを持っている私のところへきた。
「陽菜!一体何があったんだぁああ!」

うるさいな。
前髪ハゲ野郎。
いかつい顔しやがってよ。
私を呼び捨てにするな。
「うるさい。」
ボソッと呟いた。

「何だって?声が小さくて聞こえないぞ?」

「うるさいってんだよ───────!!!!!!」

ダメだ。
頭ではわかってるのに………
理性がぶっ飛ぶ。

「てめぇ、私を呼び捨てしてんじゃねぇよ!このハゲっ」

「はっハゲだとぉ!俺はまだハゲてはない!」

「反抗するんじゃねぇ!前髪がハゲてるからハゲなんだよ!反抗するとお前も殺す!」

────!!!

私が斉藤を刺し殺そうとしたとき後ろで声がした。
この声………

背筋が凍るのを感じた。だってこの声は詩織の声なんだもの。

聞き間違える筈がない。なんで?


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