魅惑のヴァンパイア
チュっ……。


 唇が重なり合う音が静かな部屋でいやらしく響いた。


 身体が……熱くなっていく。


 どうしよ、私……全然ヴラドに慣れない……。


 ヴラドの柔らかい唇が、首筋へと移動していく。


 舌先の生温かい感触に、思わず背中が仰け反ってしまう。


「やっ…ヴラド……」


 背中に手をまわして、シャツを強く握りしめる。


 シワになってしまうかなんて、今はそんなことどうでもいい。


 私が正気を保てるように、強く、強く、握りしめた。


「真央……」


 甘美な声が脳天を刺激する。


 鎖骨の敏感な部分にキスを落とされると、身体がビクっと反応した。


「あっ……ま、待って!」


「待たない」


 意地悪なヴラド。


 私が強引さに弱いって知っているくせに。
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