魅惑のヴァンパイア
「絶対、守るから」


「……うん」


「ずっと、俺の側にいろ」


「うん」


 広大に続く夜空の下で、唇を重ねあった。


「…クシュンっ!」


「さっ、早く中に入ろう」


「そうだね」


「怜央は寝た?」


「うん」


「よし。俺が凍えた身体を暖めてやる」


 意地悪な微笑み。


そんな顔に、私はいつもドキドキしてしまう。


「もうっ! エッチなこと考えてるでしょ!」


「ダメか?」


「ダ……ダメじゃないけど」


 ヴラドはニヤリと笑って、私の手を引っ張った。


 月が、呆れ顔で笑っていた。 
                



【完】
   
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