魅惑のヴァンパイア
「一人で外に出てはダメだ」


「どうして?」


「外の世界は危険すぎる。殺されてしまうかもしれないぞ?」


一瞬たじろいだけれど、芽生えた好奇心はそう簡単に消えそうもなかった。


「それでも行きたい!」


身を乗り出して言うと、ヴラドは明らかに困った顔をした。


しばらく考え込んだ後、瞳を輝かせながらヴラドを見つめる私を見て、大きなため息を吐いた。


「仕方ない。俺と一緒に舞踊会に行くか?」


「ぶ、舞踊会? それが仕事なの?」


不安そうな顔になったのを、ヴラドは見逃さなかった。


「嫌ならいいんだ。諦めろ」


「いいい、行くっ! 私も舞踊会に行く!」


ヴラドはニヤリと笑って、私の身体を引き寄せた。


「今回だけだからな。我儘を聞いてあげたんだ。それ相応の覚悟があるんだろうな?」


「え?」


ヴラドはベッドに私を押し倒して、綺麗すぎる程の蒼い瞳で私を見下ろした。


「明日の手間賃をお前の身体で払ってもらう。今夜は覚悟しろよ?」


ヴラドは意地悪な微笑みを浮かべた。
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