ボランティア委員
月曜日:雨粒


「雨だ」

「雨だああーっ」

「雨だ~」


私、マリナ、蓮華が順番に雨の観想を言う。

同じ言葉なのに、それぞれの言い方の違いにおかしくなり、思わずくすっと笑う。

昇降口を出ると、降っていたのだ。

そこまで暗くないから、気づかなかった。

受験生が見れば、落るかもと不安にさせそうな天気だ。


「私、傘とってくる」

「え、危持ってきてるんだ!?」

「ということは、マリナは持ってきてないんだ?」

「蓮華もだよー。いれてー、危ー」

「そろいもそろって……」


蓮華が忘れるとは珍しいな。

そう思いながら靴を脱ぎ、上履きに履き替える。

< 32 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop