初恋タイムスリップ【完】
冷蔵庫の中をのぞくと、たくさん食材が入っていた。

悩んで悩んで…ヤキソバにすることにした。

もっと洒落た料理ができたら…


ま、いっか


料理はお父さんとしょっちゅう作っていたから、とりあえずできる。

でもお父さんにしか食べさせたことがないから…緊張するなぁ…


ドキドキしながらも、手際よく野菜を切り肉を炒め始めた時に、成海くんがリビングに入ってきた。

「なんか冷蔵庫入ってた?」


「うん。ヤキソバだけど大丈夫?好き?」


「好きだよ。なんか手伝おうか?」


「大丈夫。すぐ作るから。座ってて」


テ−ブルに肘をついて成海くんは、カウンター越しに私をずっと見ていた。
そんなに見つめられると緊張する。





「なんかいいな、こういうの…」



成海くんが笑った。








「はい、おまたせ」


「ありがとう。誕生日なのにごめんな」



「ううん。ちょっと緊張した」


「じゃ、いただきます」


パクパク食べてる成海くん。


「うまいよ!こんなにうまいヤキソバ食べたことないよ!」


私は吹き出して笑った。


「褒めすぎだよ。ヤキソバなんて、誰が作っても同じだよ」


「そんなことないよ。美音はいいお嫁さんになるな」


お嫁さん…


「美音、顔も耳も真っ赤」


は!私は耳を押さえた。




あっという間に成海くんは食べてしまった。




後片付けも終わり、


「部屋行こう」



そう言われて、


成海くんの後について行った。




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