初恋タイムスリップ【完】
お母さんは、しばらく考えていた。



私はお母さんの浴衣を広げて、お母さんに渡した。

お母さんは服を脱いだ。


そして浴衣を羽織った。






手慣れた手つきでスッスッと帯を巻き、ドレッサーの前に座った。



私は床に埃をかぶって置いてあった、化粧品たちを台の上に並べた。




お母さんはじっと鏡に映る自分の姿を見て、化粧をし始めた。




どんどん昔の頃の綺麗なお母さんになっていく。



最後に髪をまとめあげた。



私は自分用に二つ買ってもらった、花がついたかんざしのひとつを、

お母さんのまとめた髪にさした。



「お母さん…きれい…」







お母さんの姿をみて泣けてきた。


うれしくて泣けてきた。




お母さん…きれい



本当にきれいだよ…






お母さんは私の浴衣を広げて私にかけてきた。





私は洋服を脱いで、浴衣を羽織った。





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