初恋タイムスリップ【完】
卒業式の帰り道、


いつもと同じように手をつないで帰った。


「春休み、毎日会おうな」



「うん」



たくさん思い出を作ろう…





「じゃあ、また明日な」



優しく私の頭をポンポン・・・



「うん」




私は見えなくなるまで、成海くんを見送った。








さようなら




制服姿の成海くん






いつも遠回りしてくれて

ありがとう





成海くんはまた、何度も振り返りながら、帰っていった。








春休みは毎日のように会った。




成海くんの家に行ったり、駅で買い物をしたり、映画を見たり、たくさん楽しい思い出を作った。






そして







残りあと、3日となった。








3月25日




その日の夜ご飯の時、

食べ終わったお父さんが口を開いた。


「美音、父さんと母さんで明日から一泊温泉旅行に行こうと思うんだ。

母さんもだいぶいいみたいだから4月から再就職することにしたよ。

その前に旅行をしたいと思うんだが、

美音一人で留守番大丈夫か?」

私はお茶を飲んだ。



「いいね!

行ってきなよ!

私なら大丈夫だよ」



「そうか、じゃあ明日朝早く出るからな。

よろしく頼むよ」



お父さんはうれしそうだった。









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