ドーンッッッ!!

最後の平凡









去年までの俺は。

梅雨に入り、ジメジメと体中にまとわりつくような湿っぽい空気が大嫌いだった。




洗濯物も乾きが遅いだけでなく、生乾きのカビ臭い匂いになったりするし


出掛けようと思っても、傘片手にだと色々と不便だ。



でも、今日は…


同じ雨でも 鬱陶しいだなんて思わない。




きっと、隣に彼女が居るから なんだろうな。




「タイヨウ、アイユちゃん達 大丈夫ですかねぇ…?」



小さな水たまりを飛び越えながら、ルナは同居人達を心配する。



…昨日、ブラスカさん達が来た後 行く所が無いとかで一悶着し、


結局俺の部屋に来る事になった。



例の如く部屋を大きく造り変えたが

暑いだの寒いだのと騒ぎたてる人が居たもんで、結局落ち着いて眠れたのは真夜中の事だ。


アイユ達はまだ布団の中だろう。



平日の今日、学校を休んでしまうのは少し心苦しいが、俺には大事な用がある。


ルナには今から行く場所について来て欲しい と、頼んで起きてもらったんだ。



だから ついでにアイユも欠席って事で、ルナに担任の記憶の操作をしてもらった。



三人同時に休むという不自然さは否めないが…なんとかなるだろう。





< 135 / 188 >

この作品をシェア

pagetop