木霊の四辻
「さあ。どうでしょうね、呪いなんて私は信じちゃいませんよ」

と、燈哉を相手にするように、ゆいは呪いを、不思議を、否定した。

「そういうのはこれから調べるの。どちらかというと私は、肯定よりも否定のための調査なんですが……まあだから今、木霊の呪いを受けてるって言う今野先輩を守ってあげますよ。交換条件として、いろいろしつもんしたい。そういうことよ」

最初から拒絶は認めないつもりだし、それはイントネーションでも伝えている。

今野佐紀が、首を横に振るはずがなかった。





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