Call My Name
『兄貴なんじゃねえの。一週間前からずっと、ツバキの手作りチョコを期待してたし。昨晩は、兄貴たちも盛り上がったんだろ』

俺はメールを送信する

俺は昨日のスイレンを思い出すと、身体の奥が熱くなった

やべえってば…マジで、スイレンに会いたい

週末まで待てねえっつうの

俺は煙草の火を消すと、携帯を閉じてスーツのポケットにねじ込んだ

どうしたら、俺の欲望は抑えれるのだろうか

早く週末、こねえかなあ

俺は非常階段の扉を開けると、会社のフロアに戻った

このままじゃ、週末まで俺の身体が持たなそうだな

こんなふうに、誰かを想うなんて初めてだ

どうでもいい女と寝ても、また会いたいとかそういう感情なんて抱かなかった

メールをしたいとも思わなかったし、な

スイレンは全然、違うよ

朝まで一緒にいたのに、もう会いたくて会いたくて、心が落ち着かない

スイレンに触れたい

スイレンの顔を見たい

スイレンの声が聞きたい

この手で、スイレンを抱きしめたい

「マジで、やべえって」

俺は独り言をごちると、ため息をついた

俺は馬鹿な男になり果てたな
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