ケータイ小説ストーカー

「ああ、スッキリした。あんなに尽くした私を邪魔者扱いしたり、迷惑だなんて陰口叩くからこんな事になるのよね」

独り言を呟きながら、携帯電話の画面をツクシは覗き込む。


恨みを晴らし気持ちはスッキリとしたが、ツクシの心にはそれ以上に高揚感が支配していた。

無意識に、ケータイ小説文庫の総合ランキングを眺め、BBSを隅々まで読む。


「次のターゲットは、誰にしようかな?」


他人を屈服させ、奈落の底に叩き落とす爽快感は、ツクシに次の快感を与えてくれる相手を探させていた。

ツクシもまた、その感情に身を委ねた――




個人的な怨みから始まった物語はツクシを愉快犯に仕立て、花音を首吊りへと追い込む。



たかがケータイ小説
されどケータイ小説



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