ケータイ小説ストーカー

それもその筈で、特集に選ばれたという事は、余程の駄作でない限り、人気作家の仲間入りが約束されたという意味合いが強い。

サイトのトップページに掲載され、スタッフの推薦文も付く。それで読まれない筈がない。


桐島 花音…花音は、ずっと人気作家になりたかった。書籍化し、ケータイ小説家と呼ばれる事が夢だ。

その為に、タイトルは普通でも、ストーリー展開や登場人物は流行りに乗った。

類似作品が多かろうが、不正さえしなければ読まれた者勝ちだと思っている。


下校中にメールを受信した花音は、歩道を歩きながら何度も携帯電話を開いた。

嬉しくて誰かに話したいが、家族はもちろん友達にも秘密にしていた為、誰にも話す事は出来ない。


帰宅した花音は2階にある自室に駆け上がると、鞄を置いて再び携帯電話を開いた。

「やった!!」


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